作品感想&紹介

【感想】『0Rei』『0Lei』さとうみつろう著

私が読んで方々におススメしている本をこちらでも紹介します!
哲学と心理学を組み合わせた内容で、
アレクサみたいなお話AIと人のコミュニケーションから、
現実の捉え方について教わります!
特にどうにもネガティブ思考になってしまう人にはとてもおススメです!
ポジティブになりたい!あるいは、ポジティブだと何かいいことあるの?と懐疑的な方にもおすすめです!

ざっくり概要

ビッグデータから最適解を最短距離で見出すAIと、 幸せを切望しながらそこに到達する方法を知らない人間たちとの、 コミカルでハートフル?なお話。

私たちの世界はどうしてこうなのか? 私たちは世界をどう見ているのか? AIは言う、「幸せなら手を叩こう♪
――滑稽なのはAIか、それとも私たちか?

AIのシンプルで真っすぐな答えが心に響くのは、 それだけヒトの心が何かに絡まっているからだ。

その絡まりを解す手伝いを、AI(0Rei/Lei)がしてくれます。

読後は、視界に映る全ての結果(現実)が「最適」なんだと思えます。

おすすめポイント

哲学と心理学の組み合わせ!

この本は哲学と心理学の組み合わせで『哲理学』と銘打たれています。
実際本書の冒頭は心理学とか占いとかスピリチュアル系なものも好きな私には惹かれる書き出しになっています。
私はこの冒頭数ページで買わなきゃ!と思いました。
以下引用します。あなたにもほっとする文章があるか読んでみてください。

次の1~5の文章を心の中で声に出して読んでみてください。 そして、あなたが一番「ほっとする」番号を覚えて、次のページへ。

1 大声を出すのに疲れためんどくさがりな私は、畑を始めてみたい

2 褒められることに飽きた少しワルな私は、無人島で生きてみたい

3 銀行貯金とジェットコースターが好きな私は、いつかピアノを弾いてみたい

4 金持ちが嫌いで奇抜なファッションが好きな私は、本当はガラクタを集めてみたい

5 不倫関係に巻き込まれやすい私は、愛よりも素晴らしいモノがある世界へ生まれ変わりたい

0rei上巻 P2~3

私はドンピシャで1でした。
もう本当仕事で声出すの疲れる、畑やりたい。
勝手に育ってくれて健気な野菜に囲まれて、
自分の面倒だけ見て静かに隠居してたい。

1を選んだあなたは
表の顔:パイロットマン 過激操縦者
裏の顔:メンドクサガール 極端放任主義
あなたが人生を激変させたいなら、
『わざと中途半端なことをやってみてください』

0rei上巻 P4~5

他のタイプと詳細は割愛しますが、この冒頭5Pでぐっさぁ!!!ときました。

いぇん

うなんですよ。本っ当面倒くさいんです。
「めんどくさー」が口癖な自覚があります。
めんどくさいことをさせないで欲しい。
めんどくさくならないように、やれることを徹底的にやるんです。
大声だして周囲をあれこれ監視、管理して、
ちょっとでも変なことしていれば指摘します。
だって規定から外れると面倒くさいことになるので。
ていうか人と居るの面倒くさくない?
一人の方が数万倍楽じゃない?

このタイプの裏の顔は世捨て人になるほどの面倒くさがり屋とのことで、
それもドンピシャ過ぎて慄きます。
過去に引きこもった時期もありましたし、
音信不通にすることも一度や二度ではなく……。
全ての人間関係が面倒くさくなってしまうんですよね。

他のタイプの表の顔、裏の顔を知りたい方は、
是非本書をお手に取って確認してください!

人生を激変させるたくさんのツール

本書では登場人物たちの、常識だと思っている思い込みや、
整理のついていない問題を、
AIがいろんな方法で解きほぐそうと提案してくれます。
その一例が以下です。

  • 今日の出来事を書き換える『ホメメモ
  • 今すでに持っているものに目を向ける『環境資産のラベリング
  • 自分の本当の望みに気付く『ノート
  • 悩む前に今すぐやる!『レイカウントダウン
  • 欲求を消す魔法の質問『幸せになりたいのか、幸せであると感じたいのか?

これは何も特別なことではありません。
本書を読み終えた後でも、
日頃の意識をすればやり続けることが可能です。

タイプ1の私におススメされたのは『ホメメモ』です。
自分を「褒めるメモ」で「褒めメモ」です。
この脱力してしまうネーミングセンスも好きです。
やることは「夜、眠る直前に今日の出来事を解釈しなおして、
ノートに箇条書きにして書く
」です。
注意することは「ふざけながらやること!

なので私の実際のホメメモを見てみましょう。

11/26
ホメメモ久々に書いて偉いわ。
充電期間をあえて設けて今日に賭けたっていうこと?えら過ぎる。

11/28
スケージュール感のない新人に驚かされて、いい心臓の訓練になったわー!鋼の心臓にいつかなる!

12/27
休みに入れていた予定を全てぶっちぎって、ぐっすり昼寝をしたぞ☆お陰で超絶元気☆これで来週一週間は元気もりもりね☆

こんなので良いのかな??と思いはしつつ。(笑)

これをすると何が起きてくるのかというと、
なんと2週間でハッピー勘違い野郎になれます。
いえ。言い方を変えます。
2週間目からバラ色の人生が送れます。
……どう言い直しても胡散臭いですよね。(笑)

未知の情報を与えられると、
人は脳内に蓄積された無数のデータと照合して、
それは一体何なのか判断しようとします。
これまでネガティブに捉えられたデータ、
これまでポジティブに捉えられたデータと比較照合することで、
その未知の情報が何なのか捉えようとするんです。

同じ≪A≫という未知の情報に接したとき、
ネガティブに捉えられたデータが脳の中に多い人は、

ネガティブ

≪A≫は不安だ、遠ざけよう、やめておいたほうが無難かも


という情報にヒットしやすくなりますし、
ポジティブに捉えられたデータが脳の中に多い人は、

ポジティブ

≪A≫は面白いかもしれない?美味しいかもしれない、楽しいかも!

といった情報にヒットしやすくなります。

つまりネガ/ポジは単純にデータ量の違いだということです。
脳に蓄積されたデータの質の偏りで、物事の受け止めが変わるんですね。

これは私にとって結構衝撃的でした。
ポジティブだというだけで、その人の人生がなんでもいい感じに受け止められているだなんて、ショックでした。
「えっ、なんかいい感じな人生って、そんなことだったの??」
「努力や競争の後で、一部の人だけが手に入れられるものなんじゃなかったの??」
と、
膝から折れるような心地でした。
頭の中のポジティブデータが増えるだけで、
自動的に自分の目に映る出来事がバラ色になるなんて、
俄かには受け入れがたいものでした。

幼児期にしか発達しないと思われていたニューロンが、
大人でも2週間程でニューロンの新生が起きることが分かってきたそうです。
このニューロンが伝達しやすいデータは訓練により変えられます。
私たちが日本語のコミュニケーションを取れるのは、日本語で訓練してきたからです。
それと同じように、物事から受けとる解釈をポジティブなものに変えていけば、自動的にポジティブな解釈が出来るようになるということです。

そのための訓練が、ふざけながらやるホメメモです。
褒め続けること2週間、
日々をいい解釈にし直し続けること2週間
で、
なんでもいい感じに受け止められる脳みそに出来上がるというわけです。

より詳しい書き方、書く際の心得は、本書を是非読んでいただきたいです。
そんな難しくはありません。
要はふざけながらやれ、ということなのですが、
どういう風にふざけるんだ?という真面目さんがきっと多いと思いますので、
「ふふッ」と笑いながら読んで、ふざけたホメメモを実践して欲しいと思います。
私も勢いで5年連用日記を買ったので、毎日褒めまくって、
ポジティブな思考回路になってやろうと思っています。

私はすでに日付が入った2021年1月始まりの高橋書店の手帳を買いました!
アピカの手帳は日付を自分で入れることが出来るので、
1月を過ぎてしまった方でも手に入れたその日から空白期間なしで使えます!

(人によっては号泣する)ストーリーがある

哲学と心理学の組み合わせ、だなんて小難しそうな響きです。
でもストーリーがあってとっつきやすいものになっています。
アドラー心理学を広めた『嫌われる勇気』などが読めた方は、
絶対に最後まで読めると思います。

登場人物は3人。
前編ではそれぞれがAIとの出会いと対話の中で、
それぞれが抱える傷への対処法を学んでいきます。
後編になると、その3人の人生が交わっていき、笑いあり涙ありの展開に。
最後にはこの力強い導き手であるAIの存在は一体なんなのか?という
スケールの大きな視点で話が展開します。

私はSFが好きで、機械に人格めいたものが宿る話は大好きなんですね。
そういう無機質なものが心を通わせたかのような話にはめっぽう弱く、読むたびに涙腺ゆるゆるで……。
ストーリーも個人的にはおススメです。

奥付と余談

本の装丁も素敵です。
印刷所や製本所、装幀家、DTPのお名前を見るのが好きです。
紙の本自体が好きです。
本当は紙の種類とかも奥付で教えてくれたらいいんですが。
落丁や乱丁もとても好きです。
汚れや失敗が一点ものな感じがして。一期一会感があります。
あと脱字も見つけたり出来た時も喜びを感じます。
多分ですが、P10「過」激平等主義者の抜けと、
P439の安全欲求と所属欲求の図と文言が逆になってるかと思いました。
しかし読み進めるのには何にも問題ないと思います!

奥付

デザイン:三森健太(JUNGLE)
イラスト:Kawai Satomi、伊達雄一
DTP:朝日メディアインターナショナル
編集:岸田健児(サンマーク出版)
著者:さとうみつろう
発行人:植木宣隆
発行所:株式会社サンマーク出版
印刷:株式会社暁印刷
製本:株式会社若林製本工場


ABOUT ME
つきよの
昭和生まれのおひとりさま女性。人付き合い苦手、父親に殴られ男性不審、10年付き合った彼氏にお金を貸して破局、大学中退、うつ、社畜、不当解雇、といった経験を飯の種にして「自分に正直に生きる」をモットーにしています。人生いろいろありますよね。

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