作品感想&紹介

お金の流れが私達の社会を作っている 会計指南書に泣かされた

会計指南書に泣かされた

ご紹介したいのは『会計の地図』ダイヤモンド出版です。

購入出来るリンクを上に貼っていますが、こちらnoteで全文無料で公開しています。
なので買わなくても読めますのでご都合のよろしい方をお選びください。
なぜ全文無料公開しているのか、の理由を作者の近藤さんは下記のように書いています。

なので社会全体にとって利があり、著者としても利がある。社会性も経済性も同時に満たせていると思うから、全文無料で公開するんです。それはこの本の最後に書いてあることともつながります。

https://note.com/tck/n/na0f87af89407

「無料で公開するほうが、社会性も経済性も満たせるから」

社会性は兎も角として、
お金をもらっていないのに経済性を満たせるとはどういうことでしょうか?
経済性が満ちるとは、お金を得ることではないのか?

このあとがきに当たる一文からして深い問いかけが始まっています。

こんな人に読んで欲しい!

簿記をこれから勉強する人、もしくは簿記3級の復習に

私は2020年に簿記3級を興味本位で取りましたが、
知識欲を満たしたいがためだけの受験だったので、実務的に簿記の知識を使う機会はありません。
なので忘れていく一方でした。
それは流石に勿体ないと感じて、
「簿記の復習のために一冊わかりやすい本を手元に置いておきたい」という気持ちがあり、
書店で見つけたこの本を購入しました。

特徴としては、図解がシンプルで非常にわかりやすいです。
お金の流れをシンプルに纏めたものが簿記である、といえるのですが、
それを更にわかりやすく図解にしてくれたのがこの本です。

簿記を勉強された方は思うと思うのですが、
難解な漢字ばかりの用語、イメージできない概念、
機械的に仕分けは覚えたけれど実際の状況をリアルには思い描けない……

そんな時にこの本があったなら、スムーズに頭の中に入ってきただろうな、と思います。

アルバイトでも社員でも。社会で働き始めた人に

お金を得るって嬉しいですよね。
もらえるお金が増えればなお嬉しいですよね。
そのためにますます張り切って仕事をしますよね。
お金はどうやったら増えるのかしら?そんな疑問を持った時が学び時です。

あるいは逆に、
こんなに頑張っているのにお金がもらえない。
どうしてお金が増えないのかしら?そんな疑問を持ったときにもこの本をおすすめします。

どこかの組織に属して働いていると、
お金は天から降ってくるもの、振り込まれてくるもののように感じてしまいます。
でもこのお金はひとりでに集まって、皆さんに還元されいるわけではありません。
その出どころと流れを一緒に学びましょう。

自分のビジネスを持ちたいと思った時に

独立、起業など。
自分の采配で仕事をしたいと思った時にこの本はより役に立ちます。

お金はお店で物を売り買いするような二方向だけの関係性ではなくなります。
銀行から融資を受けたり、株主から出資を受けたり、
お店という資産を持ったり、人を雇えば人件費が掛かります。複雑になります。
お金をどこに分配してどう運用していくのか。

つまり自分のビジネスにおいて何を大切にするのか?をお金の使い方で表現していくことになります。

私も良く利用させてもらっている、アソビューの社長さんがTV番組に出演していました。
コロナで会社は存続の危機に。
抱えた社員を出向させ、会社をすぐに立て直せるために動けると判断した社員だけを残し、
ほかは人手が足りなくなっている他企業に出向させました。
(この判断も人の気持を考えるとなかなか苦しい決断ですよね……)
出向先企業と出向した社員とで話が合えばそのまま転籍も可とする取り決めで。
会社としては共に事業を拡大してきた大きな資産である社員を失うリスクと、
社員の雇用(生活)をどうにかして守るというリターンを天秤にのせ、
厳しい舵取りを迫られた後V字回復したよ!という簡単に言うとそういうお話でした。

このお話から、
何を大事にするのかを決断し、そしてそのためのプランを有言実行したことにとても感動しました。
口では大層なことが言えるのに、実際の行動に落とし込めないことは
少なくとも私にはよくあります。
そしてお金が関わってくると急に威勢が弱くなったり…格好悪いですが笑

株主として企業の成績、ビジョンを会計の観点から見極めたい時に

またこの本を読めば会社の財政状況を把握する財務諸表を理解できるようになります。
自分のルールに則って株を購入するに値する会社かどうかの判断が出来るようになります。
ただ会社の規模やネームバリューだけに胸躍らされることなく、
一緒に会社の持つ熱意やビジョンを持つことが出来ます。

ESG投資という言葉が最近聞かれるようになりました。
SDGsとも似た価値観かなと個人的には思っていますが、
つまりは「目先の利益だけにとらわれず、将来を見据えた企業に投資しようよ」という意味です。
この図解動画は私達の年金を運用しているGPIFの公式動画になっています。

私達は短期的な幸福だけではなく、後の世代の幸福のことも同時に考えて行かなければなりません。

私にもお金は入らない、けれど伝えたい

興味関心を持った方は、このページの冒頭、本の紹介リンクから本を買ってみてください。
そうするとこの広告を貼った私にいくらかのお駄賃が入る仕組みになっています。
でもこの本はすでにネット上で無料公開されていて全文読めます。
わざわざ買う必要はありません。

だから私にとっても時間を掛けて文字を打ってこの本を紹介するメリットはあまりないのです。
でも時間を掛けて紹介します。だってすごくいい本だったから。

会社の中を巡るお金の流れについてわかりやすい解説が続きますが、
本書の終わりに向かうに連れて簿記の話しをしながら、
「単純な数字では記せない社会からの期待や熱意について」
「お金を生み出す人間の創造性について」に話が及びます。

お金を用いらざるを得ない私達の社会では、
お金がないと無力感や無価値感を抱きがちです。
お金があると過剰な万能感や優越感に浸る人もいるでしょう。

しかしお金は今後「いまだけ」「自分だけ」を見つめている会社や人には集まらなくなります。
その逆で、「これから」「一緒に、みんなで」を見つめる会社や人にお金が集まります。
だから夢やビジョン、創造性を持ち、実際にそのようにお金を用いている企業や人が大切になっていきます。

明日も会社を運営するための目先の利益も大事にする。(経済性)
同時に社会の未来に目を向けた投資も必要になる。(社会性)

この両者のバランスが大事になります。とは言っても難しいのも想像がつきます。
この両者はどちらか一方に偏りがち、二者択一に陥ることが多い観点ですが、
そのどちらも両立させていくためには、人間の想像力が必要になります。

明日もちゃんと暮らしていける利益を生み、かつ他人と未来のことも想像する。
それが私達の課題なんだと学びました。
一社会人、一サラリーマンでしかない私にも、
お金の用い方で出来ることはあるんだなと励まされた心地になります。
また、何を大事にしたいのかを改めて考える切っ掛けになりました。

最近はこの本に限らず、無料公開する潮流もあると思います。
以前はよく撒き餌として無料で公開して集まった人に高額商品を購入させて、
大きな利益を取るための手法の一つといった印象でしたが、
「今は無料で公開したほうが将来的に多くの人の役に立つ、かもしれない」
といった長期的な視点で動いている人たちをよく目にするようになりました。

でもこれって諸刃の剣ですよね。
無料という言葉に集って甘い蜜だけ吸うほうが遥かにラクです。
それでも無料で公開するのは人を信じているからですね。
受け取った人が何かしらのアクションを起こしてくれると期待しているからです。
今回は私なりにその期待に応えられたらいいなと、思った次第でした。

ABOUT ME
つきよの
昭和生まれのおひとりさま女性。人付き合い苦手、父親に殴られ男性不審、10年付き合った彼氏にお金を貸して破局、大学中退、うつ、社畜、不当解雇、といった経験を飯の種にして「自分に正直に生きる」をモットーにしています。人生いろいろありますよね。

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