作品感想&紹介

石岡瑛子のデザインに触れられる映像作品紹介!

『ドラキュラ』『白雪姫と鏡の女王』の2作が、11月27日~12月3日まで東京・渋谷のBunkamuraル・シネマにて限定上映されます!
石岡瑛子さんの仕事をスクリーンで鑑賞「ドラキュラ」「白雪姫と鏡の女王」上映決定

2020年12月8日の1時59分から日本テレビ「映画天国」(関東ローカル、月曜深夜)で、映画『落下の王国』(2006)が放送決定です!これは!見て!展覧会に行きなさいというお告げです!!

2020年11月14日~2021年2月14日までの期間で、
「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展覧会が、
東京都現代美術館にて開催されています。

石岡瑛子さんはご存知ですか?ご存知なくても大丈夫。
今から紹介する作品を観て頂けたら、勝手に知りたくなってしまうと思いますので!
「ナニこのデザイン?!ナニこの想像力!?」
インパクトある衣装デザインでその画面に釘付けにされてしまう、
素晴らしい映像作品を3つをご紹介します。

石岡瑛子さんは2012年になくなり、新たな作品が生み出されることはもうないと思うと淋しいものです。
是非、映画作品をぽちっと見て、そのまま展覧会へ行ってきてください!

どん底から見上げる世界の美しさよ。
「落下の王国」(2006)

これはいぇんの人生のベスト映画ランキングでも5本の指に入る程好きです。子孫に伝えたい映画ナンバーワン。
長くなりますが、本当に素敵な作品なので、是非見てもらいたいです。

映画「落下の王国」予告

すみません、もう予告見ただけで号泣してます。
予告映像って、映画本編よりも大事だって言われているそうです。
人気映画スーサイド・スクワットも予告編があまりに格好良すぎて、
本編の方を撮影し直したなんてエピソードを聞きました。
なので予告編に良いところがいっぱい詰まっています。

見どころ1:役者のオーラが現れ出るような衣装

石岡瑛子さんデザインの衣装です。
静止画ではちょっと奇抜過ぎて、少し違和感を感じると思うんですが、
映像の中で動きや風にはためいて揺れると、
役者のオーラが現れ出るようなすごい存在感が出てきます。
石岡さんとタッグを組むターセム・シン監督の色彩感覚、
空間感覚とマッチして、
「この画面の向こうはどんな世界なんだろう」と未知の遠い場所を想像します。
しかし実際はには数多くの世界遺産をロケ地としています。
世界中の世界遺産なんて、気軽にほいほい行ける場所ではありませんが、
この美しい風景が、CGではなく実在する世界だということ。
自分達と地続きの世界であることに、衝撃を受けてしまいます。

見どころ2:ストーリー

泣く。嗚咽するほど泣くと思います。
平たく言うと「ハートフルファンタジー(ちょっと残酷描写あり)」
という感じです。
ちょっと血が出たり人が死んだりするので、
心温まるだけとはいいがたいです。
予告編にある通り、橋から落ちて大怪我したスタントマンの青年と、
収穫の手伝いをしていて木から落ちて骨折した少女の出会いから始まります。
いきなり象徴的ですよね。
二人は「落ちた」から出会ったんですね。……うぅっ(思い出し泣き)
予告編の最後に以下のメッセージが現れます。

汝、落下を畏れるなかれ

この美しき世界を 仰ぎ見よ

予告編より

うぅッ…!(涙)家訓になっていてもおかしくない……!
弱メンタルのいぇんには励まされる言葉でしかないです!

落ちることは怖いですよね。物理的に落ちることは勿論。
試験に落ちる、受験に落ちる、評価が落ちる、誰かを落胆させる…etc
落ちることには痛みが伴います。だから誰も落ちたくはない。
落ちた先、地面から仰ぎ見る世界なんて想像もしていませんでした。
「どん底から見た世界はどうぜどん底なんだろう」と、
あまり深く考えず、想像を巡らせもせず、思っていました。

なのに落ちて痛む心や体を持って、見上げる世界が美しいだなんて!
思いもしませんくない!?
前半は冒険活劇といった風で、少しわくわくするような展開なのですが、
後半はその反動が来ます。
魅力的な登場人物達が次々にいろんな意味の「落下」をしていくシーンは、
本当に心が抉れてしまいます。
でも落下に落下を重ねて、痛みを重ねたからこそ。
どん底で少女が紡ぐ言葉が美しくてしょうがないんですよね……。(鼻水)

内容や感想については、こちらの記事にも全面同意かないのでご紹介します。
物語の詳細に触れているので、ネタバレが嫌な方はご注意ください。
特集 美しい虚無=妄想映画の魅力 ザ・フォール 落下の王国(ウーマンライフ)

さぁ皆さん鼻ティッシュのご用意は出来ましたか?

翌朝目が腫れぼったくなっても問題ない休日前の鑑賞がおススメです。

ホラーなのに美しい!?美しすぎて怖い、というか普通に怖い!
「ザ・セル」(2001)

見どころ1:無垢と狂気が入り混じる衣装

圧巻なのは四面の壁に張り巡らされた高貴な紫色のマントを引く王のシーンです。
ちょっと何言ってるかわかんないですよね。
怖すぎてヒィッ!!?って叫びました。
アマゾンのプライムビデオで予告編の視聴が可能なので、
ご興味ある方は是非見てみてください!
予告の映像ではストーリーの説明は何もないのですが、
スケール感のある絵面でこれから起きることは日常じゃないことを暗示させます。
鳥の羽で埋め尽くしたような長い裾のスカートをたなびかせながら歩くジュリア・ロバーツ、
砂漠の丘陵。日の当たる面と影になる面、その境を歩いていく純白の衣装。
空の青と、砂漠のオレンジ、と白。とてもダイナミックな構図。
スケール感に圧倒されます。

見どころ2:美しい色彩の世界

ターセム・シン監督と石岡瑛子さんのタッグ作品は息をのむほど色が美しいです。
どこを切り取っても絵になる。
一時停止したくなるのですが、その瞬間に恐怖映像などはいってくるので怖くてできません。
この美しい世界を、指の間から恐る恐るとしか見つめることが出来ないのです。

さて、心の準備は出来ましたか?

15歳以上対象の作品です。
アマゾンプライムでレンタル可能みたいです!
性的、グロテスクな描写があります!

カラフルでパワフルで少し滑稽な、新しい寓話!
「白雪姫と鏡の女王」(2012)

魅力1:絢爛豪華!見たかった貴族の装い

石岡瑛子さんの衣装は奇抜で映像の世界観に溶け込みますが、
それ単体で着てみたい!とかステキ!というようなものではないような気がしています。
そんな作品の中で、この「プリンセス」の代名詞といえる白雪姫のドレスを石岡瑛子さんがデザインするとどんなものになるのかしら!
みんなが知っている白雪姫。
その衣装をどんなものに石岡瑛子さんなら再デザインするというのか。
という結果は是非作品を観て欲しいです。

ストーリーはゴメンなさい、実はあんまり記憶に残っていないのですが、
最後のハッピーエンドのシーンは歌って踊って、座頭市風味です。
ターセム・シン監督はインド出身です。
インド映画の歌って踊って!みたいな印象もあり、すんなりこういう終わり方も愉快でいいね!と思えます。

華やかでファンタジーな世界へ行ってらっしゃい!

映像美に酔いしれたいあなたに番外編

以上が「衣装デザイン:石岡瑛子、監督:ターセム・シン」3部作のご紹介でした!
どうでしょうか。魅せられちゃいましたでしょうか!?
石岡瑛子とターセム・シンのタッグは本当に熱かったんです。
本当ならもっと続きの作品を観てみたかった。

彼らの作品に興味関心を持ってくださったあなたに番外編の映像作品を二つ紹介します。
ビョークのMV「コクーン」と、レディ・ガガのMV「911」です。
「やっぱりお前らだったのか!(笑)」といった感想です。

ビョークとレディ・ガガのPVなら、どんな映像が来ても可笑しくないという安心感がありますが、
こちらに石岡瑛子さんとターセム・シン監督が関わっていました。
歌手二人もインパクトある人物ですが、
彼らを演出する人々もまた際立って特異です。

石岡瑛子さんの「血が、汗が、涙がデザインできるのか?」という煮詰め切った末の凝縮されたデザインと、
ターセム・シン監督のスケール感や象徴的な絵作りの美を、是非味わってほしいです。

Bjork – Unravel (video)

この赤と髪型。エキゾチックなものを根源に持っている石岡瑛子さんっぽい。

Lady Gaga-911

砂漠と黒い馬、衣服のたなびき方が既にターセム・シン監督っぽい。

東京都現代美術館へ行こう!

本題ですが、これらの作品の衣装の現物が展示されているのが、
東京都現代美術館での石岡瑛子展です!
2021年2月14日までの期間限定です。
ここで取り上げた以外にも様々な平面デザイン、舞台衣装、プロダクトデザインが並んでいます。
是非足を運んでみてください!

ABOUT ME
つきよの
昭和生まれのおひとりさま女性。人付き合い苦手、父親に殴られ男性不審、10年付き合った彼氏にお金を貸して破局、大学中退、うつ、社畜、不当解雇、といった経験を飯の種にして「自分に正直に生きる」をモットーにしています。人生いろいろありますよね。

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