作品感想&紹介

感想「精神科医が見つけた3つの幸福」

いぇん

具体的に「幸せになる方法」を提唱する実用書を見つけました!
「幸福感を得られる脳内物質を意図して出す状況を作る」
というかなり具体的な実用書です。
ふんわりとした幸せのイメージを追いかけるのが辛い方に、おすすめします。

この本を手にとった理由

書店で見かけて気になり、電子書籍で購入しました。
樺沢紫苑先生の名前は「インプット大全」「アウトプット大全」など書店でよく見かけるものがあり、知っていました。
アウトプット大全は現在読み途中ですが、
わかりやすい内容だったのでこの3つの幸福も読みやすいものだろうと想像しました。

幸福とは何かという問に、正直すっと答えられません。
○○をしている時は幸せ、といった断片的に幸せだと思うことはありますが、
常に幸せであるわけではありません。
一時期メンタルが不調になったこともあり、
幸せでないこと、不遇なこと、不条理なこと、薄暗いものに目線が囚われがちです。
でもポジティブな幸せ野郎でいたい、という気持ちも捨てきれず、
こういう本を手にとっています。

この本から学んだこと

幸せになるための実用書でした

この本では脳が幸福を感じる3つの脳内物質注目し、
「その脳内物質が発生する状況を作る」という
なんともシンプルな道筋を作ってくれました。

心と身体の健康=セロトニン的幸福
愛情を感じ、つながりを持つ=オキシトシン的幸福
お金、地位、目標を達成する=ドーパミン的幸福

セロトニン「的」幸福と名付けるのは、
例えば運動をするとその運動の種類や状況によっては、
上記の3つのすべての物質が同時に発生することもあります。
なのでこの本では話をわかりやすくするために、
運動をするとオキシトシン的幸福感が主に得られるとわかりやすい分類に落とし込むため、
このような書き方をしています。

3つの幸福の順序

3つの幸福には順序があります。
まず一番下の土台の部分にセロトニン的幸福、
その上にオキシトシン的幸福、
その上にドーパミン的幸福が来ます。

三角(△)のてっぺんにドーパミン、土台にセロトニン、という順序です。
これは高い高層ビルを建てるときに地中に埋まっている基礎が重要になるのと同じです。
まずセロトニン、自分の心と健康を大切にする。
次にオキシトシン、人とのつながり、恋、友情を大切にする。
その上でドーパミン、仕事や成果を求める取り組みに集中出来る、ということになります。

これらのバランスが崩れている人は、想像してもやはり幸せとは言えないかも知れません。

一生お金に困らない億万長者になった!(ドーパミン的幸福)
でも友達は誰も居ない。孤独だ。(オキシトシン的幸福の欠如)

心も体も健康だ!毎日が清々しい!(セロトニン的幸福)
けどお金は一円もない!(ドーパミン的幸福の欠如)

悪い例というか、極端な例です。
それで当人が幸せだと言うのなら周りがとやかく言うことではないのですが、
偏ったバランスよりも満遍なく満たされて居るほうが、安定した幸せといえるかもしれません。

心と身体が健康であり>パートナーや気心の知れた仲間がいて>職場でもまぁまぁうまくやれている。

そんな状態が理想的です。

不足している幸福要素を補う

私の場合は明らかにオキシトシン的幸福が足りていない自覚があります。
皆さんにも今不足していると思う要素があれば、それらを補う方法がこれでもかという程列挙されています。

一例ですが挙げてみます。

セロトニン的幸福を補うためには

  • 朝散歩する
  • 咀嚼する
  • 未来でも過去でもなく、今にフォーカスをする
  • 3行ポジティブ日記を書く
  • 自然の中で過ごす

日々の当たり前過ぎる小さな幸せに気づく自己洞察力を高めます

オキシトシン的幸福を補うためには

  • 友情、仲間、ペットとの交流
  • 親切にする、感謝する、親切日記・感謝日記を書く
  • オンラインよりもリアルで交流する
  • 仕事をリタイアしない
  • スキンシップ

オキシトシン的幸福と違い、自ら関係を構築する努力・労力が必要になります

ドーパミン的幸福を補うためには

  • お金や物に感謝する
  • 欲しい!を意図的に制限する
  • 毎日の小さな自己成長を味わう
  • 自己肯定感を高める

ドーパミン的幸福だけは、他の2種類の幸福と違い「減る幸福」と分類されます。
また際限のない欲求=良く言えば向上心、悪い面では依存症に繋がるものでもあります。

どのように活かすか

安定した幸福感を育てる

全編において実践的な内容ばかりでした。
△のモデルの通り、ドーパミンに当たる部分は△のてっぺん付近、小さな面積です。
セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福が盤石であれば、
ドーパミン的幸福は多少小さくても安定した幸福感が得られます。

しかし体感的にはドーパミン的幸福を追求する風潮が強いように感じています。
社会的な成功をしていないと、それは何か足りていない、不完全であるというような視線を感じます。
私自身がそう思っているだけかもしれません。

改めて自分にとっての幸福とは何なのか、振り返るいいきっかけとなりました。

本書の中でもありましたが、
バブル崩壊でドーパミン的幸福(永続しない幸福)の追求に疑問をもつことができ、
東日本大震災でオキシトシン的幸福(大切な家族、絆、当たり前過ぎて関係)の尊さを知りました。
そして今コロナでセロトニン的幸福、健康のありがたみを知りました。

今多くの人が、幸せとは何なのか、ゆっくりじっくり考えられるときが来たのかも知れません。

奥付

著者:樺沢紫苑
発行者:大山邦興
発行所:株式会社飛鳥新社
編集:矢島和郎
制作:中央精版印刷株式会社
装丁:井上新八
図版制作:ロワハウス

ABOUT ME
つきよの
昭和生まれのおひとりさま女性。人付き合い苦手、父親に殴られ男性不審、10年付き合った彼氏にお金を貸して破局、大学中退、うつ、社畜、不当解雇、といった経験を飯の種にして「自分に正直に生きる」をモットーにしています。人生いろいろありますよね。

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