作品感想&紹介

習慣超大全|小さな習慣が未来を大きく変える。自己肯定感が低い人にもおすすめの良書

習慣超大全

早起きする習慣をつけたい、あるいは甘いものを食べがちな習慣をやめたい。
日常の習慣を無理なく始められる、やめられる方法をわかりやすく分解して説明してくれる本書。
数値目標もご褒美も要らない!」「やる気なんてあてにしない!」
「何かを続けられなかった自分を責めなくていい、あなたは悪くない」

冒頭で言い切ってくれるこの本を信じ新しい習慣を身につけてみたい。

少し冗長な文章もあるけれど、実例を交えて丁寧に解説されていると感じる。
もう少しコンパクトに読みたい方は解説動画もおすすめ。

【最新刊】習慣超大全 スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法

さて。
メンタリストDaigoさんもこの書籍か、この書籍の内容に触れていた記憶があります。
「Aをしたら、Bをする」という小さなレシピを自分の中に持ち、それを細かく実践していくことが、
将来の自分を大きく変えていくことにつながります。

すべての習慣は公式で説明できる。
習慣=モチベーション×能力(やりやすさ)×きっかけ

習慣の良し悪しは関係ない。
モチベーションと能力(やりやすさ)ときっかけの3つが揃えばそれは必ず実行される。
私の場合はひっきりなしにスマホのニュースサイトを覗いてしまう。
この作業に際限はなく時間を無自覚にいくらでも費やせるので、
私にとってはどこかでセーブしたい行為だとは理解しつつも、日に何度もラクに行えてしまう。
つまり習慣となっている。

この行為を分解すると、3つの組み合わせが叶っただけにすぎない。

【モチベーション】常に新しいニュースを知りたい!という好奇心、退屈を埋めたい!という強い願望
【能力(やりやすさ)】スマホを持って親指を動かすだけ。とても簡単。
【きっかけ】スマホを持ったとき。日常茶飯事。

実に当たり前のことだけども、
モチベーションがあって、簡単なことは誰でも取り組みやすい。

エベレストに登頂したい!と強い熱意があっても、
その取り組みの難易度を思えば、
たとえ親切な人がエベレストまでただで案内するよ!というきっかけが降ってきても、
実際に身体が動き出すことはない。

また同じようにシンプルに考えれば、
習慣を形成する3つの要素のどれか一つを失えば、この習慣は行われない。
私の無制限にニュースサイトを見てしまうという習慣をやめるには、
例えば【能力(やりやすさ)】だけを下のように変更する。

【モチベーション】常に新しいニュースを知りたい!という好奇心、退屈を埋めたい!という強い願望
【能力(やりやすさ)】スマホをパスワードを複数個入力しないと開かないように設定する
【きっかけ】スマホを持ったとき。日常茶飯事。

私はこのパスワードを何個も入れなければならないという煩わしさで、
スマホを開くのが億劫になるのが想像出来る。
もう一つの候補としてきっかけを減らすことで、習慣が自動的に行われる回数を減らせる。

【モチベーション】常に新しいニュースを知りたい!という好奇心、退屈を埋めたい!という強い願望
【能力(やりやすさ)】スマホを持って親指を動かすだけ。とても簡単。
【きっかけ】スマホを持つというきっかけの回数を制限する。

スマホを持つ回数が減れば自動的にこの習慣は継続しなくなる。

「甘いものを食べたい」「タバコをやめたい」「ブログを継続したい(わたし)」
いつも容易に行えること(=行えないこと)の構造は全く一緒だ、というのが本書の説明だ。

言われてみれば当たり前という気もする。
私も本書を知る前に習慣を改めた例としては、
「コンビニでの無駄遣いをやめたい」ことだった。

例:「コンビニでの無駄遣いをやめたい」

【モチベーション】なにか新商品があるかチェックしたい、疲れたから甘いものが食べたい、買い物をして気持ちよくなりたい
【能力(やりやすさ)】コンビニに入り徘徊するだけ
【きっかけ】帰宅のルートにあるコンビニに自然と入る

【モチベーション】無駄遣いを絶対やめたい!
【能力(やりやすさ)】コンビニに入り徘徊するだけ
【きっかけ】コンビニのない道を帰宅ルートに変える!

【能力(やりやすさ)】は変わらない。
コンビニに入ってしまったら、モノを買うのは非常に簡単な行為だった。
コンビニに入ってそれをやらないというのは難しいくらい、簡単な行為。
なので【きっかけ】の方を封じた。
また貯金0の身だったので、【モチベーション】もそれなりに高かった。
つい無意識でコンビニに向かおうとした足に自分で気付いて、
方向転換することができた。

祝福が習慣を定着させる。ホメ合おう

新しい習慣を根付かせようというときに、
最初はこの【モチベーション】【能力(やりやすさ)】【きっかけ】を意識しなければならないが、
意識したこと自体をまず褒め称えなければならないと本書は言う。
成果を求める風潮の社会において、
人より秀でていなければ認められることはない、褒める価値はないと断じて苦しくなることはある。
またお国柄、自分を低くしたり、謙遜することを美徳とするような価値観を持つ人にとっても、
自分自身の小さな行いを褒め称えるということが苦手であったり、ばからしく感じる人もいるかもしれない。

しかし褒められたり、認められたりして、胸によぎる喜びの感情は、
【モチベーション】を高め、
難しいと感じていた【能力(やりやすさ)】を容易いものに感じさせる。
つまり喜びや達成感といったポジティブな感情を併用すれば、習慣化はより容易になる。

思えば赤ん坊だった私たちが、身体を動かしたり、喋ったりするだけで、
ポジティブに喜んで応援してくれる存在があった。
それに導かれるようにして能力をより強めていったのが今現在の私達の姿なのかもしれない。

喜ばれたり、達成感を味わったことは脳みそは何度も味わいたい。
「やったね!」「やればできるじゃん!」「最高!」
そんな些細な一言を自分に送るだけで、それはやがて習慣になっていく。

そしてそれは他人にも同様だ。
他人から褒められたら悪い気はしない。
「最初は面倒な気持ちでやったことだけれども、
こんなに喜んでくれるならまあもう一回くらいやってあげてもいいか。」
これはごく自然な話に感じられるだろう。
こうして円滑な人間関係まで築けてしまう、ということまで本書では触れている。

私達はもっとお互いを祝福しあうべきだ。
そんな自己啓発書みたいな文言が、習慣化のための本にも出てくるのは意外に感じた。
しかし的を得ている。

習慣のレシピを作ろう。ワーク形式で行動をデザインする

本書はワーク形式で、ノートやマインドマップを用いて候補をたくさん捻り出してから、
最終的に数個の行動に落とし込むという方法を取っている。
思いついたことをすぐに実行すればいい!ということにはならない。
念入りに行動を検討して、それでもだめならまた代替案を考えて……と繰り返しの作業が必要になる。
手間ではあるが、自分が変化する小さなレシピをたくさん考えていると思えば楽しくもなる。
思いつきのアクションを安易に取り入れて挫折を味わって、自己肯定感を低めてしまうのは避けたい。
習慣=【モチベーション】×【能力(やりやすさ)】×【きっかけ】、
これらを念入りにデザインすることが習慣を確実に実行するためには必要だ。

具体的なやり方は本書を参考にして欲しいが、
最終的に「Aをしたら、Bをする」という自分だけのレシピを作り実行することが目的だ。

実践編:「ランチをコンビニで買わない」乞うご期待?

私は「ランチをコンビニで買わない。なるべく自炊をして節約したい」という願望がある。
これをどうにか習慣化して実現させたいと思っているため、本書に沿ったワークを実践している。
実際に習慣となるまで行動を続けていきたいと思っているがはてさてどうなるか。

最終的なレシピ、「Aをしたら、Bをする」という形にまでまだたどり着いていないが、
ワークの過程ですでに楽しさを感じている。
「いつもの日課の後につなげれば簡単にやれそうだ!」
「動作を簡単にしたらいけそうだ!」
「この道具を使えば労力が遥かに少なくてすむな!」

などといった発見が次々に出てくるからだ。

無意識だった行動や感情に気づき、利用できるようになる

本書を読んでからの発見は自分の行動や感情に対して意識的になれるということだ。
「あ。今、スマホが振動した(きっかけ)から手に取ったんだ。」
「あ。今、面倒だと思った一番の原因は、階段の往復(行動のやりやすさ)を思い浮かべたときだ」
などなど。
きっかけは習慣を自動的に発動させるし、
行動のやりやすさは習慣が発動するため小さなハードルにすべきだ。
自分の行動や感情を見直し、活かすことで、私達はいくらでも新たな習慣を築くことが出来るようになる。
新たな習慣を得たら全く違う自分にだってきっとなれると、この本は励ましてくれる。

ABOUT ME
つきよの
昭和生まれのおひとりさま女性。人付き合い苦手、父親に殴られ男性不審、10年付き合った彼氏にお金を貸して破局、大学中退、うつ、社畜、不当解雇、といった経験を飯の種にして「自分に正直に生きる」をモットーにしています。人生いろいろありますよね。

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